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日本最古の飛鳥大仏(奈良県明日香村飛鳥)

飛鳥寺(法興寺)は、596年に蘇我馬子により創建された、日本最古で最初の本格的な伽藍配置を持つ大寺院です。また、日本最古の大仏となる釈迦如来像を安置した寺院でもあります。日本書紀では、仏教伝来は552年ですので、仏教伝来から本格的な仏教寺院が創建されるまでに約40年かかったことになります。

飛鳥時代を代表する仏師であり日本で最初の僧侶である徳斉法師(とくさいほうし)になったと伝えられている鞍作止利(くらつくりのとり(鞍作鳥))により造られ618年に完成し中金堂に安置され、約1400年の歴史を持ちます。


一般的に飛鳥時代とは、飛鳥寺の造営が始まった588年から平城京に遷都される710年までの約120年間とされています。 この時代は、中国大陸の隋や唐の成立による東アジア国際社会の変化に対応するために、大陸の優れた制度や技術、文化を積極的に導入していた時期にあたるのです。そして古墳時代から培ってきた伝統的なものと融合させながら質的転換を図り、文明化を推し進めていったといえるでしょう。

平野の広がる飛鳥の地には、宮殿や寺院、人工池などが造られ、その景観と相まって古墳時代とは違った飛鳥文化が誕生していたのです。飛鳥寺建立以降には、豪族や氏族たちが先を争うように仏教寺院を建立していったといいますから、飛鳥京は仏教都市としての側面も持っていたということでしょう。

また、飛鳥寺は蘇我氏の氏寺として繁栄していましたが、645年の大化の改新で蘇我氏が滅亡して後も朝廷の保護を受け尊崇されていたといわれています。

飛鳥大仏は左側から拝観したお顔と右側から拝観したお顔の表情が違うとお寺で伺い、見比べてみますと確かに左側のお顔は穏やかで、右側のお顔は厳しい表情に感じ取れます。


710年に都が平城京に遷都した8年後に、飛鳥寺(法興寺)も平城京に移しました。その際、法興寺の伽藍の一部は解体され、その材料を使い平城京に移築し元興寺(がんこうじ)が起こります。一方で法興寺に残された伽藍の一部はそのまま解体されることなく、本元興寺に名前を変えて存続させました。614年に安置された本尊の丈六の釈迦如来像はこのときには移設されず、そのまま本元興寺に残されました。

その後、887年に落雷を受け本元興寺は火災に遭います。そこからさらに300年後の1196年にも再度落雷に遭い、この時には本堂、塔ともに焼失し、本尊の釈迦如来像も顔や手などの一部を残し破損しました。これにより、本元興寺は急速に衰え、江戸時代まで復元されることなく、寺のあった場所は荒廃します。破損してしまった釈迦如来像は雨ざらしの状態となり、長い年月の間、そのまま放置されたと言われています。

その後、江戸時代に入ると、1632年に釈迦如来像を安置するための仮のお堂が建てられます。そして約200年後の1826年、現在の伽藍として残る建物が建てられ、飛鳥寺は復興されたのでした。

(飛鳥寺の歴史より抜粋)

入鹿の首塚

645年に起こった乙巳の変の際には、飛鳥板蓋宮(あすかいたぶきのみや)で蘇我入鹿が暗殺されると、入鹿の父である蘇我蝦夷は、飛鳥川の西にある甘樫丘(あまかしのおか)の邸宅に引きこもります。この際、飛鳥川の東側に位置した法興寺には、中大兄皇子や改革派の豪族たちが立てこもり、ここから対岸の邸宅にこもる蘇我蝦夷を孤立させ自害に追い込み、蘇我氏本家を滅亡に至らせました。

現在は、飛鳥寺から西200mの位置に、「入鹿の首塚」と呼ばれる五輪塔が建てられ、蘇我入鹿は供養されています。乙巳の変の際、600m離れた飛鳥板蓋宮で斬首された蘇我入鹿の首がこの法興寺近くまで飛ばされてきたという話しや、蘇我蝦夷討伐の為に飛鳥寺に駐留していた中大兄皇子と中臣鎌足(藤原鎌足)を追って飛鳥板葺宮から追いかけてきたなどの伝承が残されています。


蘇我馬子によって創建された飛鳥寺ですが、その後の飛鳥時代の暗黒の時代の舞台にもなった場所として有名です。私が高校時代に日本史の授業で先生から聞いた「蘇我入鹿」や「蘇我蝦夷」はその時の先生の声と話されていた顔の表情まで鮮明に覚えています!また、宝塚歌劇を鑑賞するようになり、中大兄皇子や藤原鎌足は主人公としてよく登場しています。

それにしても、飛鳥大仏は銅像であったこともあり、雨風に耐え飛鳥の地から動くこともなく、ずっと飛鳥の民を守り、心の拠り所となって来られたんだと思うと、二面のお顔でその時々の民に語りかけていたんだと思われます。






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